「一宮オクトーバーフェスト」という名前は2001年に遡ります。
その前年から「どすこいライブ」を始めた私たちに、商業者団体が声をかけてくださり、どすこいライブ的な公共地(公園)の活用をして、一宮市役所前の公園で、ドイツのオクトーバーフェストのようなイベントをしたい。その前年かにできた「尾張ブルワリー」の地ビールを使って。七夕まつりの時にです。
そうしてスタートしたビアガーデン「にぎわい広場」は2003年から市民ボランティア運営と変わり、市役所がその公園の場所に建替えられることとなって公園が閉まる2011年まで続きました。その間、尾張ブルワリーが閉鎖されたり、一人の商業者の意向により、直前になってできなくなりそうになったり、深夜まで演奏が終わらず始末書だったりと色々ありましたが、しかし200席ほどは5日間ほぼ満席、ステージはクオリティ高い音楽いっぱいでした。
七夕まつりの会場から少し離れたところで、まつりに滞留性と回遊性をつくるというテーマでの実験でもありました。やがて「ドコデモダレデモ」な市民七夕を目指す「ラブたな」活動へと展開していきました。
2011年、志民連いちのみやは日本最小のビール(発泡酒)工場「一宮ブルワリー」をスタート。当時盛り上がりかけてきた各地のクラフトビールイベントを回りました。とりわけ京都と富山は商店街で開催され、その賑やかさ、若さ、健康さ、明るさ、文化高さにやられました。
早速、一宮で商店街での開催をプランしたのですが、前出の人物が「子供がパレードする同じ場所で酒を売る気か」と言い出して頓挫。しかしその人の団体はイベントの時に、商店街路上にはみ出しつつお酒を売っているのです。じゃあいいなと翌年また企画を出すと、まだ言っているのかとどやされ。
3年目、ここまででも随分と時間を無駄にしており、やむなく尾張一宮駅前ビルでの開催に企画を変えました。
こちらも色々と紆余曲折はあり、また私の時間的な問題もあって結構しんどい企画と運営をしてきました。
しかし、市外など広域から多くの方が一宮駅の上に集まり、そこでは音楽と飲食の文化がいっぱいに詰まり、ヒトとカネとチエがグルグル循環し、濃厚なコミュニケーションが生まれているように感じています。
結果的には駅前ビルになってよかったとも思います。また「盛田金しゃちビール」の杉山さんの勧めで「クラフトビアパーティ」という名前にしました。「一宮オクトーバーフェスト」という名前には思い入れと私にとっての責務があったのですが、実際には世間ではオクトーバーフェストが高額な商業イベントになっていて、この名前にして本当に良かったです。
アンケート用紙には「駅周辺にも素敵な飲食店がたくさんあります」と記載し、このイベント参加後にまちへ皆さんが降りて広がってもらうことも夢想しています。
食と音楽、コミュニケーション。この駅のオープンな空間から、また新たな市民的うねりが、まち全体に波動していくことを願って。
どうぞ皆さん、今日と明日、クラフトビアパーティ in 尾張一宮駅前ビルで存分に楽しんでください。
お待ちしております!